７月22日（日）【ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団】
　ハリーは人間界で守護霊を呼び出した罪で裁判にかけられる。やっとホグワーツに戻ると魔法省が派遣した女教師が校内の粛正を進める。ヴォルデモートの復活を信じない魔法省相手にハリーは……。
　話が進むにつれ、どんどん暗くなるハリー・ポッター。主人公は、悲惨な日常から異世界へ抜け出しても、そこでもまた孤独な戦いを続けなければならない。今回は、いくら仲間がいてもやっぱり一人みたいな感が強くて、特に暗いですねえ。『学園もの』の輪郭は残してはいるんだけど、今回はそこら辺も管理教育、国家統制の権化みたいなおばちゃんが出てきて、何か今の日本とあまりにぴったりで、げんなり。イギリスもそうなのかねえ。

７月21日（土）【犬神の悪霊（たたり）】(DVD)
　主人公達は山奥の村でウラン鉱脈を発見するが、ジープで犬神の祠を壊してしまい、犬を轢き殺してしまう。主人公は鉱脈を持つ地主の娘と結婚するが、仲間が自殺したり野犬の群れに食い殺されたりして、妻は犬神の祟りと信じ込み、発狂してしまい……。
　いわゆる「封印作品」の一本かと思われていた作品がめでたくDVD化。犬神憑きをテーマにした和製オカルト映画なんだけど、犬神筋の家への差別問題に象徴される日本的な陰惨極まる封建社会、開発による山村の収奪と公害問題がむしろ中心として描かれて、日本の田舎の醜悪さをどこまでも描く凄い映画になっております。だいぶ熱心に各地の伝承を調べたらしくて、赤飯のおにぎりで半裸の女性の体をなで回して憑き物を払うエロエロな儀式とか、お封じと称して犬神筋の家に糞尿をかけたりとか、地面に埋めた犬の首を刀でちょんぎって呪いをかけたりとか、どう反応していいかわからない凄まじいシーンが続出します。終盤は長谷川真砂美ちゃん（後に『ねらわれた学園』に出る美少女）に犬神が憑いて和製エクスソシト状態になって、さらにぐちゃぐちゃな世界に突入。差別問題や公害問題とオカルトの結びつきが曖昧で、意味不明な映画になってはいるけど、一見の価値あり。『さそり』の伊藤俊也監督、1977年の作品。

７月16日（月）【転校生　さよならあなた】
　長野に暮らす女子中学生のもとへ、幼なじみの男の子が転校してくる。子どもの頃遊んだ泉に落ちた二人は、互いの体に心が入れ替わってしまった……。
　誰しも驚く、かの名作の大林監督自身によるリメイク。舞台は尾道から長野に移っているけど、序盤はほとんど旧作と同じように話は進む。ところが、中盤からは驚くべき新展開。近年の大林映画らしく、生きることと死ぬことが分かちがたく結びついたヘヴィーな話になっていく。胸がキュンとなるどころか、ぐぐーっと締めつけられるような話なので、旧作のような甘酸っぱい思いを期待すると、とんでもないことになる。もちろん安易なお涙頂戴劇でもなく、いい加減なハッピーエンドなんて用意されていないので、覚悟して見る必要あり。それでも、生きることは素晴らしいという話なんだけどね。例によって（笑）少女映画でもありますので、主演の蓮佛美沙子ちゃんの美しい肢体と儚げなエロティシズムも見所。

７月15日（日）【悪魔のいけにえ２】(DVD)
　トビー・フーパー自らの手になる唯一真正の続編も再DVD化。セルフ・パロディ的なブラックな笑いとトム・サヴィーニによる凄まじい血みどろ特殊メイクは、今見ても衝撃的。DVDのきれいな画質で見ると？ヒロインのDJ、ストレッチはいい女だなあ、とか思ってしまいました。一作目で惨殺された車椅子の青年のおじで、復讐を誓って十三年間殺人鬼一家を追う狂気のレンジャー、デニス・ホッパーの切れっぷりは、ストレッチに恋する純朴？レザーフェイスを超えております。『デビルズ・リジェクト』の狂気の保安官の原形でもあり、一作目、二作目と、順を追ったオマージュになっているのね。詳しくはこちら。

７月12日（木）【悪魔のいけにえ】(DVD)
　ホラー映画の歴史を変えたトビー・フーパー監督一世一代の傑作が、めでたく再DVD化。あんまり特典映像とか興味ないのに、つい三枚組の方買っちゃいました（笑）。公開当時のパンフの縮小版がおまけでついてますが、犠牲となる若者たちが「なかよし五人組」だったり、散々な扱いを受けている車椅子の青年を「彼の世話を厭う者は誰もいなかった」と書いたり、何か時代を感じさせておもしろいです。本編は、非常に鮮明で色鮮やかにデジタル修正してあって、LDで見慣れたザラザラした本物感？が薄れている感はありますが、文句言うものではありませんね。もちろん、今見ても（いつ見ても）脳味噌に狂気が電動ノコギリのように食い込んでくる凄まじい作品です。晩餐のシーンとかは、とにかく凄いなあ。未見の人は、ぜひぜひ、この機会に。詳しくはこちら。

７月９日（月）【剣客之恋】(DVD)
　中国北宋の時代、名判官と腕の立つ護衛官の元、人々は平和に暮らしていたが、そこに謀反の疑惑が沸き起こる。護衛官（アンディ・ラウ）は事件に絡む女義賊（セシリア・チャン）を捕らえに行くが……。
　ラブ・コメ仕立ての武侠映画。アクションはほどほど、コメディもそれなりですが、華のある美男美女の恋愛を楽しめば良い映画ですね。セシリア・チャンの、無理無理の付け髭男装には、いきなりびっくりだけど、見てるとだんだんはまってきて、後半、髭がなくなると、何だか寂しい気がしてきます（笑）。まあ、とにかく美しいですねえ。彼女を見てればシアワセな映画。ゆるゆるのハッピーエンドもいいな。ゴードン・チャン監督の2003年の作品。

７月８日（日）【リビング・デッド・ガール】(DVD)
　何となく見返してみました。主演の二人の女優さんは、何かとっても濃い感じ。血みどろ耽美吸血鬼ホラーなんだけど、生々しい肉体性。まあ、撮り方が即物的だからなんだけどね。でも、好きな映画。詳しくはこちら。