犬山城天守。国宝。

犬山は日本ライン下りや明治村のついででしか見ていなかったので探訪。昔あった日本モンキーパーク行きモノレールは2008年に廃線、木曽川対岸の城山上の廃墟も今はない。犬山遊園駅からまずは犬山城へ。平日でも観光客がいっぱい。こぢんまりしたかわいいお城。昔は個人所有（殿様の末裔）の城として有名でしたが、今は財団法人化で市が管理。近くの有楽苑は織田信長の弟、織田有楽斎の茶室如庵のある日本庭園。他にも古今の茶室が幾つも。城下町に入ると、驚くほど人がいる。古い家並みはかなり残っているけど、概ね観光客向けのどうでもいい店に。それでも一本通りを入ると途端に人影は消え、古びた家々が静かに佇んでいるのでした。夕食に入った犬山駅近くの鰻屋はほどほどのお値段で良い店。おいしい地酒も飲めて満足。 　二日目は城とまちミュージアムへ。江戸時代の城下町のジオラマが素晴らしい。隣のからくりミュージアムでは、犬山祭の車山（だし）で演じられる絡繰り人形を実演付きで展示。小学生が見学に来ていて、笛や鼓の生演奏付きで見られました。裏通りの寺社から、修復された商家や武家屋敷などを見て、お昼は名物豆腐田楽。八丁味噌をつけて焼いたシンプルなお味。どんでん館では犬山祭の車山の実物を展示。三段構造の巨大なもので迫力あり。車輪を持ち上げて方向転換する「どんでん」の映像も。夜は駅前の古典的食堂。骨酒を注文したら焼いた鮎がまるごと一匹入っていてびっくり。おいしい。 　三日目は木曽川沿いの桃太郎神社へ。今でこそ岡山が本場みたいな桃太郎だけど、かつてはここ犬山や香川の方が有名だったそう。境内にはコンクリ製の桃太郎に犬猿雉、鬼、おじいさんおばあさんの像があちこちに。拝殿前にはピンクの桃型鳥居まで。宝物館には火事で焼けちゃう前の桃太郎が産まれた桃や鬼ケ島（近くの可児川にある）から出たという鬼の骸骨の写真などが。うーん、なかなかすごい。近くの不老の滝周辺は美麗な鉄道路線鳥瞰図の吉田初三郎がアトリエを構えた地ですが、今は何もなし。寂光院は紅葉の名所だけど、まだ早くて緑がきれい（笑）。犬山遊園駅まで歩いて、近くのお寺巡り。山の斜面に並ぶお寺は犬山城の防衛線かな。城下町の残りを散策して前日と同じ食堂で地ビールと鮎の塩焼きで一杯やって帰路に着きました。

名鉄犬山遊園駅。かつては右側にモンキーパークに行くモノレールがありましたが、2008年に廃線。	改札前に桃太郎の犬・猿・雉の像ができていました。鼻の上にはきびだんご。	駅を出るとすぐ木曽川に架かる犬山橋。かつてはこの鉄橋を車も並走していました。2000年に平行する自動車用の橋ができて、今は鉄道専用。
こちらが車と歩行者用の犬山橋。	木曽川沿いに犬山城に向かいます。	犬山城の下に架かる彩雲橋。1929年竣工のアーチ橋。名鉄の古レールを用いて作られたそう。
犬山神社。歴代の犬山城主を祀るもの。	榎塚と中川清蔵主（せいぞうす）の碑。1584年、城主の留守を任されていた龍泉院住職で城主の伯父清蔵主が敵襲に防戦、ここで討死。榎は今はありません。	下山順一郎の胸像。犬山の生まれで、明治期の日本初の薬学博士。
犬山城の大手道、黒門という門があったあたり。奥に見えるのは針綱神社。	鉄門（くろがねもん）が見えてきました。	鉄門は1965年の復元です。
内外一誠という石碑。幕末に活躍した藩士八木雕（あきら）の功績を顕彰したもの。	大杉様。築城時からの大木で、1965年頃枯れる前は二十四メートルあったそう。落雷や台風から城を守る御神木として崇められたそう。	天守の入口。石積みが見えています。二階部分までは1537年頃までに作られたとか。
正面右側に突き出した付櫓の内部。	鎧など展示。右は御典医の鎧とか。	石落しの間。攻めてきた敵に石を落とす。
犬山城現存最古の鬼瓦。江戸初期のもので、亀が宝珠を背負っています。	上段の間。殿様が使う部屋で奥には武者隠しの間があって武士が待機していたそう。	飴色がきれいな天守の模型です。
武具の間。武具を収める棚が並んでいます。	唐破風の間。築城時にはなくて江戸初期に装飾として作られたもの。	最上階からの眺め。これは城下町方面。
木曽川の川下を見る。明治二十四年の濃尾地震で壊れた城の修復を条件に二十八年に城主成瀬家へ県から無償譲渡され、以来2004年まで個人所有の城に。	川上方面を見る。犬山橋が見えます。	急な階段を見下ろす。ここを甲冑をつけて上り下りは大変そう。