５月某日【ウルトラマンゼアス２ 超人大戦・光と影／ウルトラニャン】
　弱いウルトラマンが特訓して強くなるという話で、何だか70年代のスポコンみたい。まあ、現代風ではあるんですが。特撮はがんばっていて、かなりすごい。白昼の町中に立つシャドーの巨大感とか、戦闘母艦の発進とか、カッコイイ。たいへん、きちんとジュヴナイルとしてつくられていて、おもしろいし好感も持てるんだけど、古い人間としては、どうしてこれがウルトラマンなの？というのが疑問になってしまう。

５月某日【地獄先生ぬーべー／ゲゲゲの鬼太郎／花より男子】
　学校の映画会で見た。ぬーべーはあまりおもしろくなかったが、グラマーな小学生というのが、なんかおかしかった。でも、今の小学生ならおかしくないか。鬼太郎は妖怪バットを手にしたへたっぴ小学生野球チームの話で、鬼太郎たちがさんざんおどかして、弱い心をいさめるという、なかなか古典的な話で好感が持てた。花より男子は、20年代〜50年代風のニューヨークにしか見えない街が舞台だが、登場人物はみんな日本人でミュージカルスターを目指すのである。奇怪な少女マンガファンタジーだった。

５月某日【人造人間キカイダー５】(V)
　ハカイダー誕生までの三話を収録。クロガラスとかヒトデムラサキの超チープな着ぐるみが、かえって変な奇怪さとシュールな味を出していて、楽しい。記憶喪失の光明寺博士は職を転々としているのだが、なぜかお百姓さんとか農協金庫のガードマンとか、農業関係の仕事ばかりしているのが変。ロボット工学の権威なんだけどなあ。ハカイダーはカッコイイです。

５月某日【死の王】(V)
　一週間、毎日それぞれ違う人の死をドキュメンタリー・タッチで描いた作品。服毒自殺、ピストル自殺、不幸の手紙で自殺、飛び降り、連続射殺魔などなど。インターバルにはだんだん腐っていく死体の映像が挿入されている。残酷ドキュメンタリーかスプラッタ・ホラーみたいな宣伝をされていたけど、人の死というものを乾いたタッチで描いたまじめな？作品です。

５月某日【ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ】(V)
　ゲーンズブールの映画。何にもない荒れ果てたアメリカの田舎。黄色い砂漠に黄色いトラック。巨大なごみ捨て場と蝿。そういう風景の中でジェーン・バーキン演ずるボーイッシュな女性がゲイのカップルの間に入って、妙な三角関係になる話。ヒロインはゲイの一人と恋に落ちるのだけれど、なんせ相手はゲイなので、お尻じゃないとたたない。なんとかお尻でしようとするのだけれど、痛いもんでギャーギャー騒いで、ホテルや部屋から何度も追い出されるのがオカシイ。退廃的だけど美しい。というか美と醜が渾然一体となった世界ですね。非常にスタイリッシュ。ガリガリのジェーン・バーキンは魅力的。