５月某日【友だちのうちはどこ？】(V)
　イラン映画。友達の宿題のノートを間違えて持って帰ってきてしまった小学生の男の子が、ノートを届けに苦心惨憺して、友だちの家をさがすというお話。全編すんごいスローテンポで淡々と話は続き、忍耐力が必要。超保守的なイランの風土は興味深いと言えば興味深いが、見ていて楽しくなるものではない。何せ、宿題をやるのは、勉強のためよりもまず、先生の（大人の）命令に従うことを覚えるためだと、教師が堂々と言っちゃうのである。許せないなあと思っちゃったりして、どうもつらい映画でした。

５月某日【ルチオ・フルチの新デモンズ】(V)
　先日亡くなったルチオ・フルチ晩年の一本。原題『DEMONIA』、もちろん『デモンズ』とはなんの関係もない一本。中世に悪魔と契約を結んで乱交パーティーをやっては男や出来た子どもを殺していた五人の修道女が、街の人々に修道院の地下で十字架に張り付けにされて殺される。現代、そのシチリアの修道院の遺跡の発掘が始まると、修道女の怨霊が甦って、調査隊や街の人を殺しはじめるというお話。
　ひねりも何もない脚本を淡々とした演出で撮っていて、グロ描写も女占い師が飼い猫に目玉を引きずり出されて死ぬ場面以外はたいしたことないです。一口で言うと活気がなくて（やる気がない？）退屈な映画。

５月某日【雪花葬刺し】(V)
　セックスしながら刺青を彫る刺青師の話。刺青をした女性（というより女性に彫られた刺青）にとりつかれた男と、その男に（肌が美しいという理由で）惚れられて刺青を彫ることになった女の、愛憎話かと思いきや、後半は彫り師とその息子の親子の確執になって、ちょっと掘り下げが足りない感じだけど、かなり変な話でおもしろかった。京本正樹のデヴュー作とかで、彫り師の息子役です。