2月某日【吸血鬼ハンター】(TV)
 キャプテン・クロノスという吸血鬼ハンターが相棒の傴僂の教授といっしょに、吸血鬼をやっつける映画。キャプテン・クロノスは母と妹を吸血鬼に殺されたという過去を持つ無口な男。なぜか日本刀を持っている。それほどおもしろいとは思えないが、吸血鬼ハンターというヒーローをつくり出したのは、秀逸。吸血鬼ハンターDの原型です。ほんとに菊池秀行って、ハマー・ホラーが好きなんだろねえ。寒々とした風景の中に跳梁する吸血鬼と、陰のあるヒーローの活躍って、雰囲気はこの映画そのまんまです。Dの方がずっとおもしろいけどね。

2月某日【ナイト・エンジェル】(V)
 原題同じ。アダムの最初の妻リリスが、現代に甦って、ファッション雑誌編集部を舞台に次々に周囲の人間を毒牙にかけていく……というお話。男も女も虜にして、エネルギーは性欲、犠牲者の心臓を引きずり出しちゃう。雑誌のカバーガールになることで、世の中の人間をみんな誘惑しちゃうつもり(らしい)。リリス役のねーちゃんはちょっと東洋的雰囲気できれい。エッチなサービスもたくさんあるし、特殊メイクもまあ、水準。でも、全体にまのびした演出で、かなり退屈。40年前に彼氏をリリスに殺された女性が復讐に登場するけど、では、リリスは40年間何をしていたのでしょう?謎です。

2月某日【ポイズン・ボディ】(V)
 原題『DEADLY SINS』。毒を喰らわば皿まで、というわけで、アリッサ・ミラノちゃんをもう一本。全寮制女学校付き修道院が舞台のサイコ・サスペンス。陰で男と何やらしていた女生徒が次々と失踪したり殺されたりで、アリッサちゃん扮する尼さん見習いが、新任の保安官といっしょに事件を調べていく。で、当然の如く意外な犯人が……って、ちっとも意外じゃなかったりするのだが。5年前に死んだ前院長を神のように崇める現院長と料理人とか、ロリコンで強姦の前科のある校長とか、秘密の過去がある(らしい)神父とか、一癖ありそうな獣医とか、もっとおもしろくなりそうな道具立てはそろっているのだが、いま二つくらいの出来。ヌードのサービスは『レディ・ヴァンパイア』に劣りますが、終盤は意味不明のもも引き風レオタード?姿になってエッチです。保安官が根城にする店のねーちゃんがゆとりあるセクシーでよい。

2月某日【セブン】
 暗いことおびただしいと思ったら『エイリアン3』のデビット・フィンチャー監督だった。禅問答のような宗教的な雰囲気といい、主人公が精神的にぎりぎりまで追いつめられるあたりといい、こういう作風なんですね。サイコ・サスペンスでもあるが、それより現代のハードボイルドとして見た方が良いかも。絶望的なようでいて、実はけっこう前向きな話。主人公は最後まで理性とモラルを失わない黒人刑事の方なのね。映像はスタイリッシュでカッコイイ。音楽もデッド・テックでカッコイイ。ノイズ・インダストリアルっぽい音楽に暴力的なコラージュが重なるオープニングは特にいい