10月某日【あした】
　例によって出会いと別れと希望の話だった。死者が生者に会いに来るというのは一種の禁じ手のような気もするが、例によって泣ける話だった。原田知世がちょっと出ている。失われたものを取り戻そうと滑稽なほどもがく、峰岸徹演ずる中年男に一番共感してしまうなあ。宝生舞はきれいなんだか、変な顔なんだかよくわからない。

10月某日【マジソン郡の橋】
　果てしなく陳腐な話を、何とかそう感じさせないように撮ったイーストウッドの力量は、やはりたいしたものだということだろう。メリル・ストリーブを二時間見続けるのは、ちょっとつらい。演技力のことではなくてね。普段、絶対映画館に来そうもない中年のおばさんたちが連れだって来ていました。

10月某日【機動戦士Ｚガンダム ４-13】(V)
　どつぼにはまって、どっぴんしゃん。夜中にこれを見るのが楽しみで、十月は乗り切った。しかし、まあ何ともえぐい登場人物ばかりなことよ。当時これを見てた子どもたちはどう思ってたんだろうねえ。フォウやロザミアはかわいそうだなあ。ラストもあまりに惨い。女を食い物にする男と女にすがる男がどっちも破滅する。どっちもすごいエゴイズム。救いなし。袋小路。フェミニズムの観点から見るとおもしろいかもしれない。いや、古くさくてダメか。さすがに、作画の面では今の目で見るとつらい部分がある。ほとんど人間ドラマなわけで、実写でやってほしいなあと、思ったりしました。

10月某日【指輪物語】(V)
　尻切れトンボだし、ロト・スコープが途中でくじけてただの実写に着彩になってるし、ちょっと何なできだけど、あの手の世界に入れ込んでいた昔を思い出して、ほろりとした。