１月某日【イヴォンヌの香り】
　愛とはセックスなり。セックスとは肉体なり。『髪結いの亭主』や『仕立屋の恋』みたいな悲哀はあんまり描かれていないから、物足りないと言えば物足りない。でも、これだけ、アレだけを純粋に描けるというロマンチシズムには、脱帽するべきだろうな。

１月某日【美少女戦士セーラームーンＳ】
　昨年の劇場版とはうってかわっての、駄作。まあ、変身する人がこんなにたくさんいたんでは、変身シーンと得意技のシーンだけで上映時間の半分は使ってる感じだから、どうにもなんないよねえ。科学とロマンチシズムの対比もあまりに安易。「伝説のなんたらかんたら」って何？もう限界、と思ってたら、四月からまた延長……あああ。やはり合体と巨大化か？

１月某日【デモンズ３】(V)
　監督ミケーレ・ソアビ、英語版原題『THE CHURCH』。プロデュースにはダリオ・アルジェントが名を連ねている。中世の昔、チュートン騎士団に虐殺されて埋められた魔女の一族の怨念が、その上に建てられた教会の地下から復活して……というお話。中世の場面から封印が解かれて邪悪な霊が主人公らに乗り移るあたりまでは、陰惨な雰囲気でなかなかよいのだが、その後は散漫で、盛り上がりにかける。破綻気味の展開はアルジェントゆずりかなあ。破綻と言えば、どう考えても魔女の村で殺戮を繰り広げる騎士団や教会の建築家を殺してしまう僧侶の方が極悪だし、現代でも司教や教会の番人の方は偏執的で反動的な人間に描かれている。でも、甦るのは明らかに悪魔なんで、そっちに感情移入もし難いという結構変な映画。アルジェントの娘のエーシア・アルジェントがかわいい。ちょっとシャルロット・ゲーンズブールに似た泣き顔の美少女。彼女が一番の見所。

１月某日【ルチオ・フルチのゴースト・キラー】(V)
　原題『SODOMA'S GHOSTS』。その昔、ナチスの将校達が乱交パーティーをやっていた屋敷に迷い込んだ若者達が、亡霊にとりつかれて……というお話。やけにヌードのサービスがたくさんあるが、だからおもしろいというわけではない。フルチ独特の陰惨な暗い雰囲気はあるのだが、話が散漫で盛り上がりにかけ、どろぐちゃもあんまりなくて、地味。要するに凡作、というより駄作です。ラストが夢落ちというのは許せない。どうも、マカロニ・ホラーとは相性が悪い。アルジェントにせよ、フルチにせよあんまり才能あるとは思えない。